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キリスト教目線で解釈してみる「再生への道」

自分用に『ハゲタカ』主題歌「Road to Rebirth -a chainless soul-」の歌詞を翻訳してたんすよ。詩的な翻訳って日本語としては美しいですけど、ちょっち私には分かり難かったですし、真意を汲んでいない気がしたので。
んでテレビが退屈な時、暇潰しに正教会の手引書を読んでたらですね、歌詞を微妙に否定するみたいな行動を推奨する言葉がありましてですね。

エヴァグリオス『フィロカリア』「祈っている間、あなたの知性を耳の聞こえない者、口のきけない者にするように努力しなさい。その時、あなたは祈ることができるでしょう」

さて、あくまでも自分用ですが、翻訳の際に歌詞として“出来る限り一行で意味を成立させる事”尚且つ“限りなく直訳に近付ける事”に拘りました。おや、と思ったのは下記。

And if I pray, the only prayer
もし私が祈るならただ一つの願いを
That moves my lips for me
それは私の為に私の口唇を動かすもの

続きが祈る内容です。

Is - ‘Leave the heart that now I bear,
即ち「今、私が負う心は捨て去り」
And give me liberty.’
「且つ私に自由を与えよ」と

bearは“(責任を)負う”ですから、心なのに重たく感じてるんですね。

23 April 2019 改訂

その前のleaveですが“捨て去る”とも“残す”とも取れまして、続くbearが“(責任を)負う”ですから“重いから捨てるのだ”という解釈も可能で、悩んだ末、そちらにしました。しかしbearには“生む”なる意味もあります。そうすると前に解釈した“残す”でも……そんなこんなぐるぐる考えた結果、どちらの解釈か未だに悩んでいますがw

しかし富も愛も名声も朝と共に消えて、残った願いはもうそんなものしかない訳ですよね。それを“知性でない何か”が祈る歌だと解したら“何か”とは何なんだろうなあ、と考え込んでしまいました。
“願い”は“私の為に私の口唇を動かす”ので“知性”に“口を動かすな”と言うなら“願い”は真反対の“何か”になります。聖書にその辺の答えがあるかもですねえ。まあ英国人の詩に正教会の言葉を当て嵌めて考察する事自体が、そもそもミスリーディングされている訳ですがw

んで、大分経ってから検索してみました。以下が分かり易かったです。

第1コリント14章15節「ではどうすればよいのでしょう。私は霊において祈り、また知性においても祈りましょう。霊において賛美し、また知性においても賛美しましょう」
エペソ6章18節「すべての祈りと願いを用いて、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのためには絶えず目を覚ましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くし、また祈りなさい」

あれ? フィロカリアの主張と逆? そして日本語にすらミスリーディングされていたと知りました。
つまり知性の反語は御霊(soul)だったんです。はい出ました“a chainless soul”に繋がるトコ! つまり“魂”と解釈したのが間違いで“御霊(みたま)”なんですよ! 私こそミスリーディングしようとしていたんです。本当に日本語と英語の摺り合わせってメンドクサイなあw
 
以上の検証を踏まえて若干修正を加えた「Road to Rebirth -a chainless soul-」の自分用翻訳が下記です。前の文章に註釈を入れました通り、語釈を間違えてばっかなんで全然アテになんないですから念の為。

Riches I hold in light esteem,
僅かな自尊心で掴む富も
And love I laugh to scorn;
そして恋も嘲笑してしまう
And lust of fame was but a dream
それに名誉欲も夢でしかなかった
That vanished with the morn―
それは朝と共に消え失せた

And if I pray, the only prayer
そしてもし祈るならば唯一の願いを
That moves my lips for me
それは私の為に私の口唇を動かすもの
Is―‘Leave the heart that now I bear,
即ち「今私が負う心は捨て去り」
And give me liberty.’
「且つ自由を与えよ」と

Yes, as my swift days near their goal,
そうだ、彼らの旅路の果てに近い私の束の間の日々が
'Tis all that I implore―
それが私の恥ずべき事の全てなのだ
Through life and death, a chainless soul,
生と死の始めから終わりまで、束縛されない魂は
With courage to endure!
堪え忍ぶ勇気と共にあるのだ!