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生活より素敵な舞台:舞台版『銀河英雄伝説』を語る

経緯

先ずは事の次第から。
イトコちゃんのオススメで『おっさんずラブ(以下OL)』を見てハマってしまった私、元々俳優萌えとは“この世で唯お一人の俳優さん*1を除いて全く無縁でしたので、当然OL俳優さんも何方も存じ上げなかった訳ですが、しかし不明の致すところを反省もせず、相変わらずのほほんとしていたら、またもや爆弾を投下したのがイトコちゃんでした。

イトコ「ねえ、はるたんの中の人、銀英伝の舞台に出てるねえ。若い時のヤンさんですって!」
ワタシ「なぁーにぃー!?」
(6月16日メールにて)
ご親切にもイトコちゃんはアマゾンプライムビデオのリンクまで添付してくれたのでした。でも今思えばですが、本当に申し訳ない事に私はこういうのには全く興味が湧かなかったのです。
それと『銀河英雄伝説』そのものについても、ようやくヤンさんの声優交代劇のショック*2から立ち直って、外伝を見始めたところでした。
外伝の制作年は1999年ですから、実に約20年掛かる位に心の傷が深かったんですよw
まあいろいろある後悔は後程するとして、結局『舞台 銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵』に観る気が起きる迄にほぼ二週間を要した訳です。

5 May 2019 追記

実は第一章も第三章も第四章後編もDNT版も観たのですが……感想はボチボチ書いていきます。

『舞台 銀河英雄伝説 初陣 もうひとつの敵』

6月29日オンデマンドにて観劇。

食わず嫌いしていて申し訳ありませんでしたあああ!(スライディング土下座ズサー!)
同盟派としてはめたくそいろいろ言いたいですがそれはさて置き、取り敢えずカーテンコールすらキャラを崩さず、天晴れと観客の拍手をかっ攫ったベーネミュンデ侯爵夫人に十点差し上げたいです。
ストーリーラインですが、てっきり『黄金の翼』からだけと思ったら外伝からいろんなエピを摘まんで重厚に重ねていました。
最初が本伝のアスターテ星域会戦、そこから外伝の惑星カプチェランカ、黄金の翼の第五次イゼルローン要塞攻略戦――そこから銀河帝国側のエピなんですみません省略ハハハw――そして最後は再び本伝のアスターテ星域会戦、が大雑把な流れです。
田中圭君のヤンさん目当てに見始めたんですが、正直ヤンさん殆ど出番なかったですw
「俳優座の大岡越前*3かよ!」と言う位にくそ真面目に進行するせいか観客が笑いに餓えていて、稀に入る小ギャグがドカーンと受けていました。
ヤンさんの「珈琲のボタン押したら紅茶が出て来たから、紅茶のボタンを押したらやはり珈琲が出て来た」と素っ恍けた場面がめたくそ可愛かったです♡
しかし相変わらずヤンさん不幸のズンドコ。
提出する作戦案如くリジェクトされ、辞表を出してもリジェクトされ、挙げ句赴任先好きな方選べと二つ封筒を渡され、更にそれを戦友ラップさんに籤引きさせて、曰わく「引いたのがこっちで良かった」って……何て翻弄されっぱな人生……。
第五次イゼルローン要塞攻防戦での上官がシトレさんだったのだけがせめてもの救いでした。
でも実は私がこの舞台で一番萌えたのロイエンタールさんでしたw
マジめちゃカッケー!
実在したら正にこれ、なロイエンタールさんが生きて目前に存在してるんだぜヒャッホー!(←理性が壊れて銀河の彼方にワープスピードで飛んでいきましたw)
ミッターマイヤーさんへの揶揄や皮肉もめちゃんこ好き好き♡
最後の辺りの「アンネローゼ様をお助けするゾ」な四人(ラインハルト様、キルヒアイス君、ロイエンタールさん、ミッターマイヤーさん)の殺陣、ラインハルト様だけ何故ブンドル局長風アクション*4なんでしょうかw
片やロイエンタールさんとミッターマイヤーさんのシンクロアクションは完璧!
さすが双璧です♡
その他、あのクルムバッハ少佐がめちゃんこハマリ役で、アンネローゼ様がめちゃんこ素敵でした。
そして唯の悪役の筈のベーネミュンデ侯爵夫人が、圧巻の演技力を遺憾無く発揮して死の間際に女の性を体現した様に脱帽しました。
ラインハルト様もその生き様を目の当たりにして感情が引っ張られてた位でしたし。
しかし、オーラスでラインハルト様とヤンさんが舞台面と舞台奥方向に擦れ違う場面、舞台装置の配置の関係から已むを得ないのですが、ヤンさんが上手(stage left)・ラインハルト様が下手(stage right)なのがアニメOVA版ファンとして残念でした。
逆ならば第三期のオープニングを再現出来ていたのになあ、と……。

『銀河英雄伝説 第四章 前篇 激突前夜』

6月29日オンデマンドにて観劇。

はい、すっかり舞台の『銀河英雄伝説』にハマってしまったKuinaです!
さっきいきなり何もかもすっ飛ばして『第四章 前編 激突前夜』を観ました。
私が同盟派なのは全くブレないのですが、帝国派の気持ちが少し理解出来ました。
あのオーベルシュタインさんとヒルダさんの会話とか、ラインハルト様とヒルダさんの会話とかで。
あの辺りは舞台オリジナルだと思いますが、無い場面を挿入してでもラインハルト様やオーベルシュタインさんの内面を伝えたかったんだろうなあ、と思いました。
しかし帝国は馬鹿正直過ぎやしませんかw
それに対して同盟はとにかく楽しく明るいですね!
さすが伊達と酔狂で戦争してるだけありますw
でもすっかりキャラの変わってしまったマシュンゴ君、ヤンさん荷物ですか腰掴んでヒョイって死ぬ程ワロタw
とにかくヤン艦隊はいちいちオモローの波状攻撃が凄いですw
紅茶に砂糖と塩をテレコして入れちゃったフレデリカさんに気を遣ったヤンさんが飲み干しちゃうとか、必要と言われてときめくヤンさんにイゼルローンにと余計な一言加えちゃうフレデリカさんとか、ああもう二人がめちゃんこ焦れったい何とかしてっw
とにかくヤンさんが姫の如く可愛いのです♡
改めてヤンさん惚れ直しました♡
査問委員会お開きになった時のヤンさんめちゃんこカッケーですし!
でもあんな熱血漢でしたかねヤンさん?
まああれはあれで生き生きしてて大好きなんですがw
そしてカーテンコール後の歌にビックリでした!
オーベルシュタインさんがピンで歌うの観た時はどうしようかとw
でもここではヤンさんではなくあくまで河村隆一さんなんですね!
歌が圧巻でめちゃんこカコイくて布団でのた打ち回り暴れまくりました!
「何で私はこんな楽しいのん毛嫌いしてたんやーーーーー!」
とか何とか、自分をボコりまくりましたw

『銀河英雄伝説 特別公演 星々の軌跡』

6月30日オンデマンドにて観劇。

「あなたオチから観てますよ」的ツッコミは無しな方向でw
大体、舞台の構成自体が倒置法じゃないですか、ヤンさんとラインハルト様の歴史的会見が冒頭なんですから。
で、二時間四十五分の長丁場ですが、押しと引きが見事でちっとも飽きませんでした。
ただこれ、銀河英雄伝説ファン以外が観たら全く分からない構成だなあ、と。
ファンであればこそ「そう来るかあ!」的楽しみを見出せるのですが、あまりに駆け足でガンガン名場面だけを突っ込んだこの構成では、原作読んでなくてアニメ見てない、純粋に舞台を楽しみに来た一般観客には訴求しなかったんじゃないでしょうか。
一般観客が来ない舞台の興行が成功した試しはないのでどうなんですかね。
でもいままで観た中で一番映像演出が良かったので大変観易かったです。
初陣の時にこのカメラワーク欲しかったですチクショー!
さて、シェーンコップさんの白兵戦、めちゃんこカコイイですね♡
奇を衒うのに敢えて挑戦したスローモーションには完全に参りました!
緩急自在に動きながら音が一つもズレないのがマジ凄いですが、音効さんの腕が良いのか役者さん達が上手いのかは判別出来ませんでした。
あそこのシェーンコップさんとロイエンタールさんの格闘技のフルコースが好き過ぎます♡
何よりとにかく驚いたのはやはり“歌”でした。
特にインターミッション前、オーベルシュタインさんが朗々と歌うのが……「オーベルシュタインさんの掌で踊らされてる的演出なのかしら」と疑心暗鬼になってしまいましたw
うん、一番泣いたポプラン君の歌とは対照的に笑けて笑けてw(←ゴメンナサイ!)
笑けたと言えば、ヤンさんのフレデリカさんへのプロポーズ場面が一番おかしかったです。
ヤンさん動揺隠せずw→ユリアン君登場で一旦落ち着く→でもやはりフラフラな一世一代のプロポーズw→何故か年金等の話を始めるフレデリカさんw→「返事聞いてへんし」「YES!」って最高ですか最高ですw
そうそう、舞台的な演出なんでしょうか、キャゼルヌさんとマシュンゴ君のキャラ改変がおかしいですw
帝国がことごとくくそ真面目なのが正直私にはしんどいんですが、同盟程緩いとそれはそれで心配だったり。
長くなりましたんでこの辺で一旦〆ますが、ラブ&ピースとビバデモクラシーとどちらで〆れば良いんですかねw

『銀河英雄伝説 第二章 自由惑星同盟編』

7月2日オンデマンドにて観劇。

ええと……。
遡るとやはり粗が見えてしまうのは仕方ないのですが、解釈的に確実に間違っているところは真っ先に書いておきます。
ジェシカさんがヤンさんを批判する場面ちっがーーーーーう!
あれがヤンさんの心象風景としての解釈なら尚更ちっがーーーーーう!!

ジェシカさんはヤンさんが優れた軍人である事を知ってるけど、それをヤンさん自身が一番厭なのも知ってるもん!
だからヤンさんを「提督」なんて冷たく呼んで責めたりしないもん!
ついでにヤンさんは自分の命令で死なせた事で自分自身をめっちゃ責める人だけど、それをラップさんの幻影に背負わせたりしないもん!
何より自責の念で頽れたりする人じゃないもん!
……スミマセン、ちょっとあそこ厭過ぎて……。
冒頭の謎の前衛ダンス&ラップとかいろいろ頭抱える場面はあったんですが、最後の解釈が酷過ぎて他は全部吹っ飛びましたw
そしてやはり一般観客が置き去りな演出も。
ヤンさんとジェシカさんが振り返ると過去に戻ってる場面があるんですけど、あれは戴けないです。
過去の二人を知らないと、会話がちぐはぐな印象を与えるだけです。
まあ、とにかく舞台装置がメチャンコシンプルなのは印象的でした。
ラインハルト様とキルヒアイス君は『初陣 もうひとつの敵』で星を見ていましたが、この第二章ラストでヤンさんとユリアン君が星を見上げていたのが、やはり最終的なラインハルト様とユリアン君の素質の違いを表しているんでしょうか。
その場面だけはとても良かったです♡

その後ですね、うっかりmoraで『銀河英雄伝説』検索しちゃいましてね、気付いたら「Searching for the light」をダウンロードしちゃってましたw
そして今Endless Repeatしてますわw

※以降、少し本筋外れますが、宝塚版や番外編等を観ていきます。

『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』

7月2日オンデマンドにて観劇。

※先ず謝っておきますが、私はヅカ観るの初めてでしたので、ヅカファンの皆様にはトンチンカンな事を書きます。
はい、めちゃんこビックラゲーションでした。
正直ヅカ舐めてましたスミマセンでしたあああ!(スライディング土下座ズサーリプリーズ!)
男役トップってマジ凄いんですね!
段々理想と現実が乖離して、とうとう片翼であるキルヒアイス君を失ったラインハルト様の苦悩が全身からビシバシ伝わって来ました。
そして乙女の夢を具現化するのとは真反対な、ある意味原作より突っ込んでマキアヴェリズムを描いた点も評価したいです。
まさかヅカで、核攻撃で二百万人の犠牲が出たヴェスターラントの虐殺を、しかも工作員潜り込ませてました、みたいな描き方するとは……。
最初、あの銀英伝で歌とか踊りとかマジキッツいわ~、と斜に構えて観てたんですよ、本当は。
でも段々、コレマジモンのマジだわ、と思ってきたので座り直しました。
まあヅカ的な脚色はあるにはありましたけどね。
例えばラインハルト様がフロイライン・マリーンドルフと呼ぶ筈をヒルダと呼び捨てとか、ラインハルト様とヒルダさんが端から近いとか。
でもそれは瑣末な事で、本質がブレてなきゃ良いんです。
とは言え同盟派としては、もう少し何とかして欲しかったですが。
まあ同盟の軍服は元々地味だから仕方ないですかねw
んで、最後まで通しで観て、男役トップはめちゃんこ大変だと思いました。
あの羽根ハンパなく重そうです。
あれ背負って段見ずに大階段降りるって怖くないですか!?

総括

『舞台よりすてきな生活』なる映画がありますが『舞台 銀河英雄伝説』は私にとって“生活より素敵な舞台”でした。
とかく儘ならない人生でこの位の娯楽は許されて然る可きです。

*1:武岡淳一様であります。

*2:富山敬さんご逝去の折に倒れた位ショックを受けました。

*3:『劇団俳優座公演 No.303 大岡越前-卯の花が咲くとき-(2010年)』の事。高橋元太郎さんや森マリアさんと言ったコメディリリーフ無しにひたすらくそ真面目に進行した為、幕閣の「日光結構こりゃ結構!」みたいな小ギャグでしか笑えなかったのです。

*4:実は脳内では『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の「ピピルマピピルマプリリンパ」が鳴り響いていましたw 多分いのまたむつみさん作の漫画『GBボンバー』のせいw